不完全な仕事 [うつ病]
復職して最初の日。とりあえず挨拶を済ませて、指定された席の引き出しを開けた時、まず目に入ってきたのはマイクロソフト社のデータベースソフト”アクセス”に関する参考書でした。初級編からマクロ編、関数編など５冊ばかり出てきました。アクセスのことはすっかり忘れていたので妙に懐かしく感じました。他にも色々入っていました。机の配置やフロアーは移動されていましたから、その都度、誰かが中身を移してくれていたんですね。
当時の私の仕事はいろんなデータを集めて分析して、それを元に上司と方針を決めて、それに沿って営業担当と折衝を行う、いわゆる中間管理職でした（部下なし）。そのため、毎日データとの格闘でした。そのデータを収集して管理するのに”アクセス”を使っていました。”アクセス”はデータベースソフトの一種です。データベースソフトというと、家庭では住所録のソフトが代表的ですが、そこに日付や売上高などのデータがくっついているものだと思っていただければいいでしょう。
メールアドレスが設定されるようになると、いろいろな指標がまとめられたものが送られてくるようになりました。日経や業界紙に載っている相場を一枚の表にまとめたようなものです。そういったシートが数種類あり、各部署がそれぞれ必要に応じて作成し、関係部署に送信しています。為替レートのトレンドなんかが含まれているものもあります。また、別のグループからは先月の販売実績が送られてきました。私のいる部署でも作成して送信しています。
そういうのを見ると、昔、こういった表をみながら、あーでもない、こーでもないと議論したものだなと思い出しました。自分が作った形跡が残っていたりして懐かしくなりました。また、送られてくるシートのいくつかは作成に携わったものなので、特に懐かしくなりました。その時に使ったソフトが”アクセス”でした。新聞のデータを入力していくと週報や月報が作成できるようにしていました。
復職してしばらく経つと、ようやく自分の所属する部門のＬＡＮフォルダーに対するアクセス権が設定されました。昔作った”アクセス”のファイルまだノコっているのかなと、恐る恐るフォルダーの階層を下っていくと昨年の夏くらいまでは使っていたようでした。最終更新日付が２００７年７月だったので。私は休んでいたけど、私が作ったプログラムは、途中誰かのメンテナンスは受けたであろうけど頑張っていたのだなと妙に関心しました。
休職直前は何かよく分からなかった毎日でした。結果的に言うと、やはり休んだことで色々な人に迷惑を掛けたけれども、無理に働き続けて、誤った判断をしなくて良かったなと思います。「うつ病」は、その語感から心の病気と患者本人も感じてしまいますが、脳の機能が低下する病気です。だから、働こうとすれば、働けてしまいます。でも、誤った判断をしてしまう可能性はとても高くなります。事実、私は休職してから一年以上、明らかに無意味な固執に苦しむことになりました。もし、働いていたら、そのことで大きな損害を出したり、別の人を「うつ病」に追い込んでいたかもしれないと思います。
やっぱり病気の時は社会からは一定の距離を保つことが必要なんだと思います。私は「会社」から離れた生活に簡単に入ることが出来ますが、そうでない人もたくさんいるんだと思います。でも、なんとか一時期、離れられるものなら離れて欲しいなと感じてしまいます。私は復職して１ヶ月ですが、まだまだ病気とは付き合っていかなくてはいけないので、会社との距離も近づき過ぎないように気をつけないといけないなと思います。それぞれの人のストーリーの中で、適切な距離感を保つことが大切なのかもしれません。
自分の仕事の痕跡が残っていると、なんとなくうれしくなったり懐かしくなったりしますよね。アクセスですか！！
ぴょんは大の苦手です。っていうか何度教えてもらっても頭に入ってこない。でも便利なんですよね～。ぴょんの先輩はアクセス大好き人間です。
適度な距離感…必要ですね。どうしても近づきたくなってしまいますが。やっぱりそこのところとうまく折り合いをつけなければと感じます。
by ぴょん (2008-06-01 23:33)
私はExcelで集計ツールを作っていた事がありました。復帰してみると、その中の一部は、メンテナンスを受けながらも、現役で働いているのを知って、やっぱりちょっと嬉しくなりましたね。今、改造依頼をされても出来るかどうか分かりませんが(^_^;)。
会社との距離感は、やっぱり今でも難しく感じてしまいます。休日の夢見にExcelのメンテナンスのことを考える夢を見ていたり・・・。あぁ、オンオフがうまくできてないなぁと思いました。
by のろ (2008-06-02 11:04)
私が作ったプログラム、今も正常に動いてるかしら・・・？
覗きにいけたら楽しそうだな～、なんて思っちゃいました。
仕事において、判断を間違ってしまうというのは、怖いことですよね。
まして、自分では正しいと思い、意固地になってしまったりすると、
大変なことになりかねません。
でも今は、休職して正解だった、と判断できるようになるほど回復しているのですね（＾＾）
これからも、ゆっくりゆっくり、仕事と折り合いつけながら、
進んでいってくださいね。
by りょお (2008-06-02 16:01)
ぴょんさん
アクセスは癖がありますからね。好き嫌いがはっきり分かれるソフトですね。
のろさん
オンオフは難しいですよね。私も仕事の夢をよく見ます。休職中は一時期見なくなっていたんですが、復職が具体的になってからは、また見るようになりました。
りょおさん
うつの時はどうしても考えに柔軟性がなくなってしまいますよね。そのために必要以上に感情的になって、必要以上に敵を作って疎外感を味わってしまいます。本当は休職にならないように、上手くストレスのコントロールが出来ていたらよかったのでしょうけれど。でも、休職したからストレスのことを真面目に考えられるようになったともいえますね。
by satoshi_ (2008-06-02 21:55)
会社との適度な距離感。。。復職するとどうしても
その中に入りこんでいこうとするところもありますが、
まだまだ回復途上の身、距離感を適度に持っていかないとな、
とこの日記を見て気づきました。
最近距離感を無理に埋めようとがんばりすぎていたのかも
しれません・・・。
人間関係とか、仕事の出来不出来、考えをうまく伝えられたか
どうか相手の顔色を妙に気にしたり・・・。
その辺のところの調和を取れるようになればもっと心が
軽くなるんでしょうけど・・・。と最近思います。
by スワン (2008-06-02 23:06)
私も以前FileMakerとかpostgreSQLとか使っていたことがありました。
でも、たいしたことはやっていませんでした。
by いいだや (2008-06-03 12:30)
スワンさん
やっぱり会社の中にいると会社にとって良い方向にモチベートされていきます。その中で距離感を保つのは難しいだろうと思います。私も今は復職したてで、周囲も病気のことを覚えていますが、その感覚はだんだん薄れてゆくでしょう。その時、どうしたものかなと思います。あまり先のことを考えても悪い方向に考えてしまうので、考えないようにしていますが。
いいだやさん
ＦｉｌｅＭａｋｅｒは名前は聞いたことあります。必要に応じて使えればいいと思います。私も必要に迫られて覚えただけですから。
by satoshi_ (2008-06-03 21:21)
復職してからの仕事との距離感ってむずかしそうですね。
途中から入っていくからにはすでに立ち上がっている仕事には参加できにくいし、かといって新しいプロジェクトに参加してバリバリやるには脳みそが働かなくって・・・
satoshi＿さんはこのはざまでどう仕事に参加されているのでしょうか？
by ゆきうさぎ (2008-06-05 15:20)
復職１ヶ月で、疲れもたまってくる頃だと思います。休日はゆっくりしてくださいね！
by マロン (2008-06-05 18:26)
ゆきうさぎさん
ご指摘の部分が悩ましいところです。
現時点では、就業時間に会社いることが私のお仕事です。脳ミソはやっぱり働きません。だから、仕事との関わり方はもう少ししてから考えるつもりです。
マロンさん
疲れが溜まってきている感じです。明日は午後は診察なので半日勤務です。半日ならなんとか働ける感じです。
by satoshi_ (2008-06-05 20:20)
こんばんわ＾＾
「それぞれの人のストーリーの中で、適切な距離感を保つことが大切なのかもしれません。」
ホンとそうですね。
最近人との付き合いの中で私もこう感じていました。。
私、人に何かを伝えたい時とか話してる時。。
一瞬頭が真っ白で何も起動しなくなるときがあります。
何を話してたんだか。。とんじゃうんですね。
それを説明するのも大変で。。。
これってどうしてかなって思っちゃう日々ですね＾＾
satoshi_ も社会もどられて＾＾すこしずつ頑張っていらっしゃる。
私も見習わなければ＾＾。。
by nono (2008-06-06 20:40)
nonoさん
私も頭の中にあるものがドッとあふれ出して何を云っているんだろうとおもうことがありますよ。もう収拾がつかないですね。
by satoshi_ (2008-06-06 21:04)